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たぶんゲームオーバー

気付かないふりーくす

agoera solo exhibition 「IMAGE」

雑記

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先週の日曜の7月24日、以前から気になっていた画家・agoera氏の個展に行ってきた。氏の絵はとても魅力的で、且つとても不思議なもので、描かれている場面もそうなのだが、それ以上に、その先に続くであろう物語へと想いを馳せてしまう。ヴィヴィッドで瑞々しい色彩でもって描かれた情景(本当に情景という言葉がしっくりくる)、そしてやはり人の後姿がモチーフになっている絵が多いからなのだろう。彼/彼女と同じ風景を目の前にしながら、彼/彼女の背中を追う。人物が描かれていない絵には、その風景を見ているであろう人、その先に現れるであろう人の姿などを思い浮かべたりする。氏の絵を初めて見たのは藤岡陽子著『波風』という一冊の本の表紙で、その時からこの印象はほとんど変わっていないと思う。ちなみにその本自体は読んでない。気になったんなら一緒に読んでみればよかったのにちょっと面倒くさがってしまった。自分の悪い癖ダナ。




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開催場所は目白駅近くのFUUROという2階建ての白を基調とした小さなギャラリースペース。いい雰囲気だな、とは思ったけどその程度。というか、普段なら展覧会の会場や展示の仕方なんかも気にして楽しんだりするのだけど、今回は割とそんな余裕なかった。ずっと絵ばかり観てた。ずっと魅入ってた。大きな絵も小さな絵も、過去にネットなどで観た事のある作品も初めて観た作品も、手を伸ばせば、描かれたその先の物語に触れることができそうな気がして。それ程までに惹き込まれ続けていた。昔から百も承知ではあったし実際そういう経験も何度かあったけど、改めて思い知らされた。実物を目の当たりにしたら、こんなにも違うものなのか、と。色鮮やかな世界は実は割と限られた色彩で構成されているものなのかもしれないな、なんて事を思ったりもした。“凄絶”とか“圧巻”とか決してそういう感じではなかったけれど、衝撃的な体験だったのは間違いない。二階に展示されていた「花の行方」という大きな絵と「untitled #44」という小さな絵には特に心奪われ、1階と2階を何度も行き来しては何分もその絵の前で立ち尽くしたりしていたので非常に迷惑な客であったろう。面目ない・・・でも仕方なかったんだ・・・。一番好きな季節は夏だけど、一番好きな花はやっぱり桜なんだろうな。物語の始まりのモチーフだからかな。

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それにしてもこの絵に無題というタイトルを付けられるセンス・・・と言ったらいいのだろうか、本当に脱帽する。何を想ってそのタイトルを付けたのか聞いてみたかった。ご本人はいらっしゃってはいたのだが赤の他人でチキンな俺がそんな重要な事聞けるわけもなく・・・。帰り際に欲しかった画集を購入。この画集がまた凄くて、わざと本として綴じてなく、自分だけの物語を紡ぐかのように、表紙含めてある程度自分でページを組めるという、氏の描く絵の特性を活かしきったかのような素敵過ぎる仕様で、ここでまず感動。ケースを含めるとかなりの大きさって気がしたけど本自体は映画のパンフレット位。良い質感の紙に、ページいっぱいに載せられた絵や余白を多めにとって載せられた絵。丁寧に紡いで、丁寧に読み返したくなる、そんな画集だった。実際に何度も読み返している。「untitled #44」が表紙にセットされてる分があったので迷わずそれを購入。「花の行方」が載ってなかったのがちょっとだけ残念。

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音楽を聴くのが好きなので、これに合う音楽ないかな、とか案の定探してみたりなんかして。で、なんとなく合いそうだなという予感がして、以前から聴いてみたかったけどなんとなく機会を逃し続けていたRyoko Akama『Senu Hima』を購入。この数日前にDL販売も開始されたのでタイミング的にも丁度良かった。音数が極端に少なく静謐で美しいこのアルバムはどんな画集にも合いそうな気がするけど自分が知っている限り現時点では氏の画集がベスト。今では読みたくなったら一緒に聴くし聴きたくなったら一緒に読む、という関係性を築き上げている。





本当は当日中に書こうと思ったりもしたのだけど、最終日である今日あたりにもう一度行っておきたかったのでその後にしようかなと。結局諸々の事情が重なってしまい行けなくなってしまったのだが。惜しい・・・非常に惜しい・・・。それでも、1週間経った今でもかなり鮮明に記憶に残っていたので、それ程濃密な時間を過ごしたという事なのだろう。期間が限られていたが一度だけでも行けて本当によかった。Twitterやってて本当によかった・・・(RTで流れてきて知った)。9月にはグループ展が開かれるとのことで、他の方々の作品と共に楽しみに待ちたい。

美術的な素養や審美眼なんて持ちあわせてはいないけど、最近いろんな美術展に行きたいと思っては実際に楽しんできたりと、数年前からやってみたかったけど敷居の高さと自身の面倒くさがりな性格が重なって中々踏ん切りがつきなかった事がようやくちょこちょこできるようになってきている。とても良い事だと思う。一方でこの歳になってようやくフットワーク軽くなってきたかと思うとちと情けなくもあるのだが・・・。

あ~でもやっぱりもう一度行って「花の行方」を目に焼き付けておきたかったな。確か8万円で販売されていたあの絵の行方がとても気になる。本当なら買っておきたかったが当然の如くそんな金などどこにもなかった・・・。ちょっと悔しい。