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たぶんゲームオーバー

気付かないふりーくす

きのこ帝国 日比谷野音ワンマンライヴ『夏の影』

音楽

 

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MCでサラっと「アルバム作ってました」的な事言ってたけど一体いつリリースされるのだろう。流石に連続での年1枚ペースはキツイだろうし来年初頭とかかな。そうすれば巷で話題の映画主題歌を初冬辺りに売りだしてその1、2ヵ月後にアルバム、っていうナイスタイミングなスケジュールも組めるだろうしきっとそうだろうな。とかなんとか考えてたら出口で配られてたチラシ集の中にこんなのが入ってた(ステッカー裏面)。もう発売日決まってるやんけ!またもや年1ペースやんけ!やった新曲先行配信されるやんけ!言うならもっとここまで言って場を盛り上げてくれよ~。というか当然のごとくやるもんだと思ってて超期待してたのに結局やらずに終わってしまった映画主題歌をやらなかったのは解禁時期云々といった大人の事情だとばかり思ってたけどこういう事だったのかよ!アルバムタイトルかよ!そりゃこのタイミングではやらんわな・・・納得・・・。という事で、昨日(2016年8月27日)行われたライヴは「35℃」の歌詞にある"夏の影”をタイトルに持ってきての初の野音ワンマン、とばかり思っていたけれど、実はアルバムリリース発表及び先行楽曲「夏の影」のリリースライヴ、という意味合いで(も?)あったらしい。どこかでその辺明かされてたかもしれないけど最近の動向をロクにチェックしてなくて全く知らなかった自分にとっては結構なサプライズでありました。で、その新曲「夏の影」なんですが、ダブ/レゲエ色の強いトロピカルでポップな曲調で始まってこのまま行くかと思いきや、サビできのこ帝国らしい少し影のある、というかきのこ帝国史上屈指の切なさを誇るんじゃなかろうかってレベルのメロディーに胸締め付けられまくってサウンド的にも心象的にも夏・・・!って感じの素晴らしく自分好みの曲でとても良い・・・。で、この新曲、上手い具合に丁度本編の中間で演奏してて、これまた上手い具合にそれ以前はポップな曲中心、以降は初期のヘヴィーな曲中心って感じで分かれてたんだけど、本当に上手い具合にこの曲が過去と現在の橋渡し的な役割を果たしてたように感じられて。今にして思えば今回のライヴでとても印象的なシーンだったなと。前々回のワンマンでは流れ的にちょっと違和感を感じたところもあったし前回のワンマンではガチガチに現在のポップなモードで固めてきたって事もあってやっぱ過去曲との共存は難しいのかな・・・って思ったりなんかしてたんだけど、そんな心配はどうやら杞憂だった模様。なんでこんな風に感じたのかというと、こんな曲調だったから、というのももちろんあるんだけど、それよりも佐藤氏の伸びやかな歌声が初期を彷彿とさせて、且つ過去とも微妙に異なる音色を奏でていたから、というところが大きいと思ってて。今回のライヴで最初にハッとさせられたのはここなんですよね。そのような事を終演後軽く知人と話したりしてたら「愛のゆくえ」もそんな感じの曲であるらしくて(映画の予告編で軽く聴けるらしいですね。ここまで来たらリリースまで待ちますが・・・)。歌い方が戻ってきている?というよりも現在のモードのために呼び戻されている、と言ったほうがしっくりくるのかもしれない。そう考えると新作は過去と現在を繋ぐ今までの集大成的なものになるのでは?尚且つ過去作同様、いやそれ以上に、歌声に焦点が当たる作品になっているのかもしれない。・・・なんて妄想が止まらなくて今から楽しみで楽しみで仕方ないですね。自分はポップなモードのきのこ帝国も大好きなんだけど、それでもここまでポップな感じのは他のバンドに任せとけばいいのに・・・みたいに思うところもあったのは事実。かといって初期に戻るのもなんか違うよな、というか今更戻れんだろうし・・・というか今更戻ってほしくないし・・・というかそんな感じのバンドも今となってはいくらでもいるだろう。新作では、真の意味できのこ帝国にしか鳴らせない景色が見れるのかもしれない。というかですね、自分ずっときのこ帝国には映画主題歌のタイアップとってほしいってずっと思ってて。そしたらなんと監督直々のオファーでそれが決まって、っていう流れに滅茶苦茶感動してたんですけど、そしたらその曲がアルバムタイトルですよ。そこまで彼等にとっても重要な曲になっている、という事だと思うわけですよ。感動し過ぎて聴くのが若干こわくなってきてるんですけど・・・。いやほんと、楽しみです。



ライヴ全体の感想としては(やっとかよ)、初野外ワンマンで雨、というこのバンドにとっては非常に絵になるコンディションで皆の期待が高まる中、誰だこのコスプレアイドル!?(失礼)って感じのドピンクに染まった髪の佐藤氏が出てきてショック以上に度肝抜かれまくってライヴどころではなかった。なんて事はなく(度肝抜かれまくったのは事実ではありますが・・・)、「猫とアレルギー」で始まった本編はベースの音のデカさに身体が慣れるまで若干時間がかかったけどそれ以外は前回のワンマン同様いい感じの雰囲気、いや野外という開放感や悪天候で早々にあたりが暗くなってきたという演出も相まって、そして早くもガンガンにギター弾きまくる佐藤氏が見れ、自分の位置からはステージ左側の壁に大きく映るコン氏の影がドラム叩く影絵アニメーションの様にも見え、さらに早くも今回のライヴで聴きたかった曲のひとつである「畦道で」も聴けて、個人的には前回以上にいい雰囲気に浸れた序盤。だったのが途中で公園でやってる夏祭りの盆踊りBGMが大音量でこっちに流れ込んでくるという痛恨のアクシデントにその場にいた誰もが心乱され、演奏側が精彩を欠いていたのか自分がイマイチ集中できなかったのか、おそらくはこの両方が重なってしまったからだと思うんだけどなんだか雲行き怪しい流れが数曲続いて、この位でちゃんと聴けなくなるとか俺も相当ヘタレだよな思いつつこんな状況下でライヴ演るとかどんだけ精神削るんだよ・・・ってハラハラしてたんだけど。だがしかしおそらくこれがとんでもない起爆剤になったのかもしれない、なんて事を思うと悪い事ばかり言えなくなってしまう。件の新曲にうっとり聴き入る事ができたおかげで自分の方はかなり持ち直してきた感あったんだけどバンドの方もそれは同じだったらしく、いや違う、なんかどっかのおかしなスイッチが入ってしまったとしか思えない。長年演ってきた曲故の演奏力の高さとバンドが一丸となって気合いでぶっ飛ばすみたいなアホみたいなパワーがメルトダウン起こして大爆発したかのような。なんだこの圧倒的な風圧は。背筋ゾクゾクしっぱなしで「・・・は?」と唖然とする事しかできなかった。その後に演奏された「足首」の前では。初めてきのこ帝国を観た時と同様、いやそれ以上の衝撃だったかもしれない。昨今の作風やらライヴやらですっかり忘れていた。きのこ帝国は化け物じみた壮絶なパフォーマンスをぶちかますバンドだということを。そういう油断もあったのは確かだけどそれにしたってとんでもなく凄まじかったのだ。自分だけじゃないよね?あの場にいた全員が同じ事を感じていたはず。・・・多分・・・きっと・・・おそらく・・・。個人的には間違いなく今回のハイライトは「足首」で、尚且つ(そこまで観れてないけど)今まで観た彼等のライヴの中で最も記憶に残る最高のパフォーマンスのひとつになっていくだろう。先の新曲の事で“今にして思えば~”なんて書き方したのはしばらくこのシーンの事しか考えられなかったからで、なんで最初に書いたかというとさっさと書いときゃなきゃまたこのシーンにばかり思考持ってかれると思ったからです。で、それ以降もゾクゾクさせられっぱなしの演奏が続いて、観客も(きのこ帝国のライヴにしては)かなりの盛り上がりだったと記憶してるのだけど。それは『渦になる』からの曲を連発してたからってのもあるんだろうけどきっとそれだけではないだろう。あんなん見せられ続けてたらブチ上がり過ぎて奇声発するか呆然と立ち尽くしてしまうか以外道ないわ。終盤、「夜が明けたら」からの超弩級のラブソング「クライベイビー」に繋げたところなんて過去も今も引っ括めて力づくで未来に繋いでみせるみたいな圧倒的なパワー感じてしまってあまりにドラマチックな流れに涙出てきてしまった。で、本編最後の雨の中での「東京」。もう完璧。ほんと完璧。これ以上何もいらないって位完璧なラストだった。アンコール、色々あって申し訳無さそうにしてる佐藤氏のMCの後(貴方達は何も悪くないんだ・・・)に演奏された2曲も本編地続きのパワフルな演奏で最高にかっこよく(あのテンションでの「疾走」ほんとよかった・・・)、急遽ダブルアンコールでシゲ氏にMCを任せて残りの3人で選曲会議を行うという微笑ましい場面もありつつ(シゲ氏の近所にいてほしい感じのとっぽい兄ちゃんっぷりがとてもよかった)最後の最後「国道スロープ」で聴衆を大いに盛り上げて終了。いやあ最高だった・・・今回も最高だった・・・きのこ帝国のライヴが終わるといつもこんな感じやなと自分でも呆れつつ、いや本当に今回も、というかマジで今回超最高だった・・・(しつこい)。


こうして書いてみると、初野外ワンマンで雨で前後編的な構成でトラブルありつつも起死回生終わってみれば最高のライヴだった、っていう、非常にライヴ感満載なライヴが観れて、そういうのってかなりレアだと思うし、それが今一番好きなバンドで観れたってのはかなりラッキーな事だったのかもしれない。そういう意味でもとてもいいものが観れたのだなあ、と。あと今回は今まで以上に佐藤氏のギター弾き倒す姿が終始クソエモく感じられてそこも凄くよかった。「国道スロープ」の最後なんてアンプ音量上げまくってガンガンノイズ出してたもんな。とてもロックやった。前回のライヴがホールでドレス姿だった事もありコンサートって感じしてそれはそれでとてもよかったんだけどやっぱり彼女にはこういう姿の方が似合う。髪のドピンク具合は流石にどうかと思うけど(本人も気にしてる様だった)。それにしても本当に雨が似合うバンドだなあ。次もよろしく頼みますよ、神様。



最高最高絶賛しつつも正直なところひとつだけ悔いは残ってて。やっぱり最後の最後には「Telepathy/Overdrive」で締めてほしかったなあ。野外だし。雨だったけど。野外でワンマンでオーラスで「Telepathy/Overdrive」を聴くその時まで生きていたいですね。