たぶんゲームオーバー

気付かないふりーくす

2016年の17枚

 

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突然ですが写真は今現在の私のリスニング環境です。去年の夏に(サマソニのチケ購入直前で売り切れてしまった腹いせに)勢い余って買ってしまった携帯プレーヤーの音質があまりにも自分好みの音で、それまで家ではPCにDAC繋いで聴いてたのが今では外でも家でもこれで聴くようになりまして、PCと外付けHDDは今や保管庫扱いです。で、普段は付属の8GB(実質7.4GB)のmicroSDにちょこちょこ出し入れして聴いてるのですが、やっぱ常時入れておきたい作品ってあるじゃないですか。いつ聴きたくなるかわからないけれど、それでも側においておきたい大切な音楽というか。そういうのは別にあきばお~で買った200GB(実質183GB)の方にいれるようにしてるのですが案の定中々定まらない・・・(話の腰を折るようですがそれにしても最近安くなりましたねこの手の記憶媒体・・・200GBで1万切るとは思いませんでした)。それでも過去のそういう作品群と並べたりしながら、2016年リリースの作品で手放したくないものをピックアップしてみたら17作ありました。なんと17作もあったんですよ・・・ずっと思ってはいましたがやっぱり去年は自分にとっては豊作の年であったようです。去年は5作程だった気がするのでその差は歴然。まぁ選定基準(?)的に5作でも十分多いとは思いますが・・・。それほどまでに去年は個性的で素敵な作品に出会う事ができました。ちょっと大変だけどやっぱり幸せな事です。ありがたいですね・・・。今回はそんな感じの選び方をしてみました。そんな感じの選び方なので最後の1作を除いては割と順不同な感じなのですが、それが全てではないにしても読みやすいかな思って一応大体文章量順には並べてみました。あとそんな感じの選び方なので見当違いともとれるような非常に自分語り的な感想になってしまっているのですが、まぁどうしても書いておきたかったんですよこの前書きっぽいのも含め。なので特に読んでもらわなくても結構なのですが、ジャケをクリックすればなるべく試聴できるページに飛ぶように作っておきましたので、せっかくなんでちょちょいとクリックしてちょちょいと聴いてみるだけでもしてもらえたらいいな、なんて。自分はこういうのが好きってのを知ってもらえるのはやっぱ嬉しいもんで、そしてそれらが他の人達も気になって、好きになってくれるってのはそれ以上に嬉しかったりするものです。ということでお付き合いお願い致します。以下。ちなみに一応書いておきますがパンダのぬいぐるみはリスニング環境とは一切関係がございませんがもちろんパンダのぬいぐるみにヘッドホン着けて写真撮って載せたかったというのが一番大きいところです。





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蓮沼執太『メロディーズ』
常に心地良く心を揺らし続けてくれるであろうポップソングアルバム。ふとしたきっかけでなんとなく聴きたいなと思って聴いてると、ふとした、だけどちょっとした大事な事なんかをいくつか思い出させてくれそうです。





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Moe and ghosts × 空間現代『RAP PHENOMENON』
最も衝撃的な突然変異、或いは圧倒的なまでに強く正しく美しい1+1=2。言いたいことは山ほどあれどヤベー超カッケー、全てはこのひと言のみで済んでしまうような気がします。なんだかんだでシンプルな作品だと思う。ヤベーし超カッケーし。





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滝沢朋恵『a b c b(アベコベ)』
これはもう1曲目を聴いた時点で手放せなくなってしまいました(こちらで1曲目がフルで聴けます)。彼女の歌にはいくら手を伸ばしても決して触れることができないのでしょう。それでも物語を紡ぐほど孤独を滲ませてしまう人の歌から目を逸らせるはずがありません。ああ、なんて愛おしい、孤独。





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Chun-liang Liu『Friction』
うたが好きな人にとってここまで眩しくて羨ましいアルバムもそうそうないんじゃないですかね。まぁある意味クセが強いところは認める。少しでもうたが好きな人にこそ聴いてほしいですね。あと多分うたが好きだという事も思い出せる。実際自分なんかもそうでした。こんなに自由奔放にうたえる人がほんと羨ましい・・・。そしてこういう人がいるって事になんだか嬉しくなります。





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Solo Andata『In The Lens』
様々な楽器と電子音が織り成すふくよかなシンフォニー、暖かくて優しいインストゥルメンタル集です。心の中がじんわり暖かく、優しい気持ちになっていくのがわかります。せめてこれを聴いてる間だけでも優しくありたいものです。そんな風にも思わせてくれます。素敵じゃないですか。寒い冬にコンポタ片手に散歩しながら聴くのがオススメです。そういえばクリスマスっぽくなくもない。





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Tape Loop Orchestra『The Invisibles』
いつもながらの彼らしい、長尺で、儚く、穏やかで、懐かしい、そして神々しいまでに壮大なシンフォニック・ノイズ・ドローンなのですが本作ではいつも以上に、というか完全に主軸に女性の歌が据えられていて、ここまでくれば最早うたものというか、一種の宗教音楽なのでは?そう勘違いしてしまう程に美しい作品です。出自不明な古の発掘音源を聴いているのでは?という気にさせられます。そしてありもしない国のありもしない歴史や人に想いを馳せるのです。





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Lucio Capece『RX22』
スタイリッシュなジャケに反してスッカスカでヘッポコで真面目なのかふざけてるのかすらもよくわからないのですがこれに賭ける情熱や勢いなんかは確かにここにあります。そういえばOZ DISCに出会ってからというもの、思えば昔からこういうのが大好きなのでした。この感じ実に久々。まぁ一種のダンスミュージックですかね。多分ハマる人はハマると思いますよ。そして二度と抜け出せない。なんだか妙に笑えるししかも妙にかっこいいところがなんか悔しい・・・。





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ともこ一角『ロムエ』
ここ最近は何か聴きたいけど特に何も思いつかない時なんかはほぼ9割の確率でこれに行き着きます。特別な事は何もないけれど、いつでも聴いていたくなる音楽。すなわち自分にとっての最高のポップミュージックのひとつ。やっぱこういうのも必要なんですよね。この軽やかさはトルネード竜巻にはなかったので考えた事もなかったけれど、それでもやっぱり自分にとってこのポジションは曽我氏以外考えられなかった、ということなのでしょう。やっぱりこれも特別なのかもしれませんね。





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ASUNA × Fumihito Taguchi
『100keyboads × 100 portable record players with 100 sea wave records』
リンク先に載ってる説明通りの音なんですが百聞は一聴にしかずと言いますか。ということで現代では非常に稀有な真の意味での実験音楽でもあれば記録作品でもありますし、先日Twitterで教えてもらったele-kingのBraian Enoに関する記事を読んで真っ先に想起された音源がこれであり、ということで自分にとっては真の意味でのアンビエントなんだろうな、というところでもあります。最もわかりやすく、且つ最もハードコアな形、とも言えるかもしれません。1回目と2回目以降とでは聴こえ方が随分と変わってくると思います。まずはボーッと聴いてみる事をおすすめします。遠くから波の音が聞こえてきた瞬間。そこで全てが変わるはずです。





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はるまきごはん『BLUE ENDING NOVA』
とても青い音楽です。ボカロだったりロックだったりタイトルだったりコンセプトだったりそれを感じさせる要因はいくつもあるけれど、何よりも、ギターから発せられる音そのものに青さを感じます。その音から全てが始まったのかもしれませんし、ここまで美しい青色は聴いたことないんじゃないか、と思わされる程に。何故ここまで感じるのかよくわからないのですが、こういった、青さを強く感じる音楽には未だに惹かれ続けてしまう。悪くはないと思うし、ずっとそんな感じでいれればいいな、なんて思わせてもらったり。現時点で自分の好みの青色が最もわかりやすく表現されている作品のひとつだと思います。あとこれは他の人の声で再録してほしくないかな。





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サニーディ・サービス『DANCE TO YOU』
この確信的なまでの覚醒感はヤバイ。こういうのが楽曲から感じられる作品が最もヤバイと思うのですがまさかそれをサニーディで聴くことになろうとは・・・。数ある曽我部氏の作品群の中でも群を抜いてハイテンション、そしてその状態が余すことなく楽曲に注ぎ込まれたポップな切なさ大炸裂のギターロックアルバム。そうそう、これギターロックとして滅茶苦茶かっこよくて、とにかくギターの音が滅茶苦茶かっこいいんですよ。こんなのもう抗えないでしょ・・・。ちなみに自分はユニオン新宿本店B1で別のCD買いに来てた時に店頭でかかっててえっ誰!?ってビックリしてその勢いのまま直接店員に聞いたんですがまさかサニーディだとは思ってなくて更にビックリしました。にしてもジャケが圧倒的にだせぇ。





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石上和也『cleaner 583』
新しい朝が来た希望の朝だとはよく言いますが、実際には夜に希望を感じる人、夜にしか生きられない人だって当然いるわけで、光はもちろん希望の象徴であって朝には光が満ち溢れているものですが、夜にだって極僅かながらも光は存在するわけで、そうである分より力強く、より愛おしく感じる事だってあるはずです。そういうのを感じさせるものや人に惹かれやすい辺り自分もそちら側の人間なのかな?というかそうでありたい、というのが正直なところです。これは自分にとってそんなアルバムなので、自分にとってはかけがえのないもののひとつでありますし、過去出会ったそういうものたちと同様に、そうであり続けてくれたらいいな、なんて思っています。昔からずっと思ってる割には相変わらず言いたい事上手く言えてませんがつまりは感動的ないいアルバムだと思いますよ。始めは暗いけど。





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Thomas Brinkmann『A Certain Degree of Stasis』
凍てついてはいるが、醒めてはいない。むしろ熱すら感じられるこの音像は鬼才Thomas Brinkmannによるノンビートの実験音楽と言うには極めて音楽的で美しくもあれば極めて内省的で感情的な作品であるように感じられます。一体彼の何がこの作品へと向かわせたのでしょうか。全2曲約100分などあっという間です。これ聴いてると何故か泣きそうになってしまうんですよ。自分はこの音源が表現している感情の正体とこれを聴いている時の自分自身の感情の正体を知りたい。全く見当ハズレな事を言ってる様な気もしますが、もしもこれが正しかったとしても、彼は死ぬまでそれを明かすことはないのでしょう。それだけは確信が持てます。インタビューとか全然読んでないのでこう言っちゃうのもアレなんですけどある意味夢があっていいじゃないですか。ちなみにタイトルをgoogle翻訳に突っ込むと“ある程度の鬱状態”と出てきます。う~む・・・。





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Tenniscoats『Music Exists disc3』
去年はフィールドレコーディングとかコンクレートとか、記録という色が濃い作品を多く聴いた気がしますが、この作品もその延長線上で聴けるアルバムだと思うんですよね。これは気品の知れた2組による2日間という短い期間で録音されたセッション作品なんですが、類稀なる音楽作品として素晴らしいのはもちろんのこと、テニスコーツとテープのセッションという、この二組だからこその必然と偶然とひらめきが生まれた奇跡的な瞬間が真空パックされた類稀なる記録作品としても評価されるべきです。そう感じる箇所がいくつもある気がします。音楽が生まれる瞬間、と言ってしまえば大げさかもしれませんが相手はあのテニスコーツです、そう思わされても仕方がありません。音楽が生まれる場はこんなにも素敵で幸福な空気に満ち溢れているのです。ああなんて羨ましい・・・。こんな作品になったのも演者だけでなく録音やミックス担当、そして録音場所のおかげでもあるはず。テニスとテープの共作はこれで3作目ですが、またしても素敵な作品を届けてくれました。





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マクマナマンNew Wave of British BASEBALL Heavy Metal』
長ければいいってものでもなければ速ければいいってものでもないし激しければいいってものでもなければ複雑であればいいってものでもない、ましてや同じような展開でいいってわけがありませんがはっきり言ってこのバンドは別です。そうでもしなきゃ見えてこない未来は確実にここにはあるしこの音楽に触れなければ開けない未来というのも確実にここにはあります。バンド名やタイトルが変?上等、そんな事は全くもって関係ありません。聴いてしまえばそんなものは些細な問題です。どうしても手にしなければならない何かに触れられそうになった時、これを聴けば少なくともあと一歩は前に近付く事ができるはずです。その後は自分次第です。人によってはその未来を決める最大の一手にもなりうる事でしょう。そうであってほしいと願います。このアルバムには人生において大切な事が詰まっている。少なくとも2016年において最もエモーショナルで最もスピリチュアルに響く、最も爆音で聴くべき音楽でしょう。これを聴いて久々に、改めて思い知らされました。音楽は理屈じゃねぇ。





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world's end girlfriend『LAST WALTZ +』
自身の名をテーマに掲げた久々の作品はしかしながらweg史上最も異質なアルバムに仕上がったと言えるでしょう。まず、このアルバムには明確な始まりと終わりがない。始まりは何かの事象と地続きのようにも感じられ、終わりは始まり、そしてボーナストラックはあくまで漠然としながらもその先の未来すら想起させる内容になっています。始まりと終わりがなければ物語は成立しない、今までの彼の作品はそれを強く意識させられるものばかりであったはずなのに。他にもひっかかるところはいくつかあり、総じて言うと、今までの作品のような圧倒的なまでの完成度を誇る物語がここには存在していないように感じます。ではこれは果たして何なのか?という事になってきますがおそらくこれは彼なりの現実、すなわち今我々が生きているこの世界そのものなのではないのでしょうか。何が始まりで何が終わりかなんて分からない。けれど、私達には正しく希望があって、正しく絶望があって、そして正しく未来がある。それだけは確かな事。そんな、この世界そのものこそが今現在の彼を形成しているもの、すなわちworld's end girlfriendなのではないでしょうか、と。それをこんなにも優しく、こんなにもドラマチックに表現できるのは今までの彼がある今の彼だからこそ、という感じもします。こんな誇大妄想ええ加減にせいよという感じでしょうが、彼の作品にはここまで対峙してしっかり自分の中での答えを見つけないと納得できない。それほどまでに自分にとっては大切であり常に必要な音楽家の一人なのです。それが彼にとって真に新たな傑作が誕生したのであるのなら尚更の事でしょう。抵抗と祝福、その言葉に少しだけ近付けたように思えます。それにしても暖かくて愛おしい。彼の作品でこの手の愛おしさを感じるなんて初めてのことだし想像すらしてこなかったけれど。それもきっと私達の世界だからこそなのでしょう。そうであってほしいなあ。それにしてもあれをボートラ的扱いにしたのは一種の照れ隠しだったりするのでしょうか。でもやっぱりこれがないと始まらないよな、なんて。





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きのこ帝国『愛のゆくえ』
ロックバンドにしてはあまりにも地味過ぎる、そしてラブソング集としてはあまり気の利いてないこのアルバムはきのこ帝国にとっては過渡期的な、というよりも今後の方向性を決定付けるターニングポイント的な一枚になると思っていて。“愛のゆくえ”というテーマに焦点を絞ったからこそ得られた表現の幅、そして“うた”という最初期の原点に立ち返り見つめ直したからこそ得られた表現の幅(音響面もここに含められるでしょう)というのがこの作品で見事結実しているように感じます。だからといってこれが完成形という話では決してなく、むしろここからが始まりなのでしょう、そんな希望を抱かせてくれます。この表現力を手に入れたきのこ帝国はうたものロックバンドとして誰よりも強く美しい。次作或いはそれ以降、新しい力を手にした彼女達の才能が爆発する時がきっときます。おそらくそれが真の最高傑作になるはずです。

なんて期待が高まりつつも実際問題そういうのは割とどうでもよかったりするんですよね。きのこ帝国はもちろん大好きで、というか現存するバンドの中で一番好きなのは確かなのですが、正直これがきのこ帝国の作品とかそういうのもどうでもいいというか。ロックバンドにしてはあまりにも地味過ぎる、そしてラブソング集としてはあまり気の利いてないこのアルバムは自分にとってはとても良い、大切だとかそういう深いものはないけれど、純粋にただただ良いなと思えるうたもののアルバムで。色々考えるのが馬鹿らしくなってくるくらい、聴く度に良いなって感想がいの一番に出てくる作品で。今まで素晴らしい作品にたくさん出会えてきたけれど、その中でも一番良いなって言葉が似合う作品のような気がしてて。ということはこれが今までで一番良かった作品だと言っちゃってもいいんじゃないかなって気がするんですよね。昔はアレがいいだコレがいいだと半ば無理やりのように決めては気分によってその都度変わったり、色々考えた挙句結局は答えをだせずじまいだったりで、本当はそれでもいいんだろうけど、というか音楽好きにとっては本当はそうあるべきが幸せなかたちなんだろうけど。でも、もしも今「一番良いアルバムは?」って聞かれたら迷わずこれを選ぶだろうし、そこに後悔はないだろうし、なにより自分にとって一番しっくりくるし。自分にとってきのこ帝国にとっての最高傑作は『渦になる』で、きのこ帝国で一番好きな作品は『フェイクワールドワンダーランド』である事は今でも変わってはいない。だけど、大切なアルバムは他にも数あれど、今まで聴いてきた中で一番良いアルバムは間違いなく『愛のゆくえ』、だったりする。

自分はこんな人間なので悲しい事にこの歳になっても恋人ができた事なんて一度もないんですよね。悲しい事に・・・。で、恋人ができたら好きな曲達も聴こえ方が変わってくるという話をちょこちょこ目にしてまして。それ音楽好きとして純粋にとても羨ましいんですよね・・・。このアルバムも何か変わったりするのでしょうか。その時が来てくれたらいいのだけど。願わくば、これも大切なアルバムになってくれたらいいなぁ、なんて。




以上です。ありがとうございました。